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Sportiva (スポルティーバ) 2009年 03月号 [雑誌]勝ち方といえば、何年か前、テニス部で関東大会に出場しました。その時も、徹底して勝ちにこだわった試合ができたから、決勝リーグ(4校)に残れた、という記憶があります。

テニスの高校の団体戦は、(多くの場合)シングルス2つ、ダブルス1つの3本勝負で行われます。予選準決勝では、シングルス1の相手が、以前1−6で負けてる相手でした。それで「絶対に勝てない」「負けて当然」、そう思ったのが良かったみたい。

「絶対勝つぞ!」と自分たちを鼓舞するのは、「勝てないかも」っていう不安を打ち消すため。本当に勝てると思っている時は、そんなこと言いません。だから、相手に勝つためには、そういった気合(気負い)を一旦どこかに置き、冷静に状況を観察し、勝ち方を分析しなければならない。

その相手は、技術、打ち合いでは絶対勝てない相手だったので、私がベンチで言ったのは「持久走だと思って、体力勝負してくる」ということ。彼女は体力が抜群にあって、ミスしない安定した球を打つのが得意だったので、「自分から攻めない」という1点を最後まで通して6−4で勝利し、団体も2−1で勝てました。

「絶対に勝てない」と思ったことで、緊張せずにリラックスしてプレーし、試合に勝てた。「絶対に勝てる」と思ったことで、慢心が生まれ、以前とは違う相手の戦略に気づかず、試合に敗れた。人間心理とはおもしろいもので、心理を制することができれば、物理をも制することもあります。



予選決勝は、シングルス1−1でのダブルス勝負。その時のダブルスペアは、チャンスを見て「前並行(2人とも前衛)」で攻めるというプレースタイルをとっていました。ペアの1人が後衛が苦手で、前衛でポイントを取ることが多かったからです。

想定外だったのは、相手が「前並行対策」を完璧にできていたこと。「前並行をしかけられたら、最初から前につめている前衛側にロブ」という対策を徹底して教えられ、できるようになっていたペアでした。

3回それをやられた所で、割と自信があった前平行は完全に封印して、4ゲーム目からは「後ろ並行(後衛&後衛)から雁行陣(後衛&前衛)に移行する」という作戦に変更しました。今までやったことない陣形で、かなりのぶっつけ本番。でも、勝ちにつながる道筋を何とか探して、「得意なポジションに自分をセットしてから勝負を始める」という方法でいくことにしました。

相手も後ろ並行なんて見たことなかったらしく、ただのラリーでミスってくれたりして、なんとか6−6の最終ゲーム。技術的には圧倒的に格上の相手に、奇襲、奇襲で攻めて、なんとかタイブレークまで。途中で降ってきた小雨も、実力差を埋めてくれた一つの要因だったと思います。

隣のベンチで座っている私の心臓は、すでに臨界突破の暴走運転。胃には穴が開いたような痛みが走り、最後のタイブレークは、ちゃんと試合を見れませんでした。最後は、ただ「がんばれ」って祈ってただけ。

大会の予定時間は過ぎ、試合しているのは私たちだけ。静寂の中で聞こえてくるのは、雨の音、ボールの音、そして私の心臓の音だけ。あの中で練習通りにプレーできた選手たちを私は尊敬します。

というわけで、何年か前の思い出話。



昨日、水泳部がメドレーリレーで、団体では初の関東大会出場を決めたとのこと。「今日は飲み明かすから!」って喜びの報告をくれた水泳部顧問のうちの嫁は、疲れきって、酒も飲まずに早めに寝てました。「明日も大会なんだ。」いつもは疲れを見せる連日の大会も、今日は、晴れた気持ちで会場に向かったんだろうな。

いってらっしゃい。

2009.06.21 _








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